暮らしとお財布にやさしい、心とお金の余裕を生む情報活用TOP スポンサー広告
> スポンサーサイト> 時事、トレード(株、FX)
> 『新しい火の創造』出版記念講演会に参加

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『新しい火の創造』出版記念講演会に参加 

昨日、「誰がエネルギー社会を変えるのか~政策から産業へ。エネルギーの不安から世界を解放するビジネスの力~」と題された、出版記念講演回に参加しました。

出版されたのは、どの本かというと――こちら↓です。

新しい火の創造
目次などはこちらへどうぞ。

講演者はざっと――(敬称略)
著者であるエイモリー・B.ロビンズ(1hr)
資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部長 新原浩朗(30min)
題して、「誰がエネルギー政策を変えるのか」
猪瀬直樹副知事(30min) 都の取り組みを中心に
パネルディスカッション 著者+4名

感想は大きく二つ。

1.
資源エネルギー庁の部長の話は、太陽光発電や風力発電をはじめとする再生可能エネルギーに関して、国としてどんな政策や実証実験を推し進めているのか、たいへん分かりやすいものでした。

ただ、一つ印象に残ったことは――その直後に猪瀬副知事が「役所の縦割りがいちばん問題」と言っていたことにも繋がるのですが――新原部長が風力発電の最適地として、北海道北部の日本海側、下北半島の西海岸、津軽半島から秋田県にかけての日本海側の4箇所を挙げた上で、「問題なのは、人口が少ないところばかりなので送電線が脆弱であり、これを強化しないと風量発電所だけつくってもダメ」と言っていたことです。

そこで感じたことは、「だったら、大間原発を稼動させるのであれば――当然、仙台・東京方面の送電線は太いものになるはずなので――そこへ繋ぎ込めばいいのでは?」ということです。

つまり、今後、電力源とそれを運用する事業者が多様化していくことを考えると、特定の発電事業者が送電網を握っている状態は、非常によろしくないということです。かつて、通信が自由化された際も、NTTが新電電にどのように支線を使わせるかで揉め続けたことがあります。特定の事業者が送電網を握っていれば、当然、自社の発電部門や傘下の発電事業者が優遇され、わざわざ競合の電力を買うために送電網を敷くことはしたくないのは当たり前です。

かつ、資源エネルギー庁も、エネルギー源別に大きく三つの部――省エネルギー・新エネルギー部、資源・燃料部、電力・ガス事業部に分かれていますから、送電網は当然、電力・ガス事業部の管轄であり、他の2部が管轄する事業者は割を喰う可能性があります。

とくに、原発だけでなく、風力発電所もメガソーラー(こちらは個人的には反対ですが)も、元々送電線の細いど田舎に立地するわけですから、発電事業の全国化を促すためにも、送電会社は中立なかたちに持っていくべきと考えます。

これが、当日感じた問題意識の一つめです。

2.
二つめは、パネルディスカッションのなかでの説明に関してです。

再生可能エネルギーを推進したい方々はよく、ドイツやデンマークを引き合いに出して、「世界にはすでに再生可能エネルギー比率の高い国がある」「日本も見習わなくては」といった議論を展開されるのですが、けっこう個々の国の資源状況や立地を考慮しない、都合のいい解釈をしていることが多いんです。

この日もそうでした。パネラーの一人が、3.11後にいち早く原発廃止を打ち出したドイツに関する4つのデータを挙げながら、
「ドイツは原発を急激に減らしてもきちんとやっていけている」
「再生可能エネルギーの比率は25%に高まっている」
「経団連系の人が、石炭火力が増えているからだと言っていたが、そんなことはない。石炭は横這いである」
「輸出は少し減っているけれども」
というような発言をしていました。

実際、モニターには、4つのグラフが映し出されていました(縦軸が電力量、横軸が西暦年)。ややうる憶えですが、①再生可能エネルギー、②石炭火力、③輸出量、④原子力の4つです。

説明を聞きながらグラフを見ていて思ったことは、「この人バリバリの理系(しかも筆者と同じ大学・学部の先輩)なのに、データの読み方が随分恣意的だな」ということです。

私なら、こう説明します。
「ドイツは元々電力輸出国である」
「現在、原発を半分ほど止めているが、国内の電力供給に影響は出ていない」
「石炭火力も増やさずに済んでいる」
と。つまり、原発を半分止めても電力輸出を減らすことで相殺できていて、再生可能エネルギーの割合が急増しているのは、原発を止めたことで分母が小さくなっているからです。

よく、「日本は、周辺国と地続きでフランスから原発由来の電力を輸入できるドイツとは違う」という言を耳しますが、これも本質を外しています。ドイツはそもそも電力輸出国であり、フランスから電力の輸入が必要なのは緊急時だけで、お互いに緊急時に融通しあっているにすぎません。逆に、輸出余力が急減したため、チェコなどはドイツからの電力供給が不安定になるなど、周辺国が悪影響を受けています。しかも、原発を廃止と言っても、既に止めたのはまだ半分です。

ついでに言うと、ドイツの太陽光発電由来の電力買取り額は(ユーロ建てでも)当初の4割未満まで下がってきています(理由は割愛します)。

資源エネルギー庁の部長がグラフを使って説明していた中に、電源別コストがあったのですが、風力や地熱は旧来の電源に近い10円/kWhに近い安さを出せても、太陽光はよくて(安くて)20円台後半だという話もありました。

つまり、固定価格買取制度が42円でスタートするのは、高い価格をつけて早期に少しでも原発停止の減少分をカバーしながら、風力や地熱を整備するまでのあいだの時間稼ぎをするという側面が強いのです。だったら最初から太陽光に期待せずに、石油や旧式のガス火力を最新のガスコンバインドにリプレイスしながら(効率1.5倍なのでコストは3分の2、ガス価格が同じでも)、風力と地熱とそのための送電網を着実に増やしていく、というのが王道だと思います。

太陽光に関しては、建物の屋根や屋上に設置するのはいいことだとしても、環境破壊に繋がり一般家庭の電気代を大きく押し上げてしまいかねない固定価格買取りを前提としたメガソーラーには疑問が拭えません。下手するとスペインのようにバブルにもなりかねないですし。

その一方で、今回の講演の主旨でもある、地産池消を目的とした分散型エネルギー需給は推し進めるべきであることは言うまでもありません。

最後に、講演全体を聞いて感じたことは、再生エネルギー推進派=即時脱原発ではないということです。彼らのシナリオでは、2050年には原発と石油はゼロになり、メインはガスと再生可能エネルギー(水力除く)、サブが水力(と石炭?)というイメージのようです。

しかしこれも、産業構造の変化(とくに製造業割合の減少)や2030年頃をピークに減り始める人口(就業人口)・GDP(国内生産)によって電力必要量がどう変化する(減っていく)のか、原発はどこが再稼動対象で、それぞれいつまで動かすのか(新設はないとして)が先に決まらないと、本来は絵は描けないはずです。

どこのシナリオも、電力使用量が右肩上がりを続けるという前提になっているところが、そもそもいただけません。長期の電力需要予測を明確に出すのは、誰の役割なんでしょうかね?
 

関連記事

コメント

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://dohgo.blog22.fc2.com/tb.php/491-81d20ce7

美容整形
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。