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遺伝子診断の是非を考えてみよう 

前回の記事”「腫瘍マーカー値が急降下した」という資料の補強データ”を書いた前後から、『遺伝子で診断する』(中村祐輔/PHP新書)を読み始めたのですが、まさに膝を打つ思いでした。



今後何回かに分けて、同書の内容や、読んでの感想などに触れたいと思います。

同書が出版されたのは1996年の12月。著者の中村祐輔先生が44歳のときです。(残念ながら現在は絶版のようで、ブックオフでたまたま見かけて買っておいたものです。)

「著者の思想はその初期の書籍に最もよく表れる」と言われますが、同書は遺伝子診断とはなんぞや? ということに留まらず、同氏が癌治療の現場で直面されたことやそのときの気持ち、それらの経験からくる遺伝子診断への思いなどがひしひしと伝わってきます。

そしてもう1点、目からウロコだったことは、13年も前に既に専門医のあいだではここまでのことが分かっていたんだ、一般人向けの知識として降りてくるまでには、相当の年数を要するのが実態なんだ、ということです。それだけ、同書の内容は今の私にとって新鮮でしたし、逆に、癌に関する知見や遺伝子診断に関しては、制度面を中心に当時からあまり進歩してないのではないか? という疑念も持ちました。

遺伝子診断そのものに関しては、同書や類書を読んで頂いたほうがいいと思いますので、以降は主に、遺伝子診断の問題点、とくに社会的な観点を中心に考えていきたいと思います。

同氏は、遺伝子診断を取り巻く問題点を以下のように整理しています。(同書のp186~187)

(1)診断をするための基準
  ・どのような病気に対してするのか
  ・どのような対象に対してするのか
  ・インフォームドコンセントの形式は?
(2)診断した結果の秘密保持
  ・本人に伝えるのか、家族にはどうするのか
  ・だれが結果を保持するのか
  ・未成年者や子供にはどうするのか
  ・公的機関がするのか、一般検査企業がするのか
  ・秘密が漏れたときはどうするのか
(3)”特定の”病気になりやすいと判定された人の
  カウンセリング
  ・すべての医師が遺伝のことを理解しているのか
  ・医師だけがカウンセリングするのか
  ・医師とは別にカウンセラーを育てるならば、
   その教育はどうするのか
(4)社会的差別・偏見
  ・生命保険・健康保険への遺伝子診断の影響は?
  ・結婚、就職などに対しての差別や不利益は?
  ・優性(ママ)主義につながるのか
(5)医療費
  ・医療費の増加を招くのか

※” ”内は筆者が加筆

「優生」と「優性(遺伝)」の区別が付いていないのはご愛嬌というか、編集者の見識不足だとは思いますが、その後、あまり本格的な議論になっていないことを鑑みるに、どれも解決されたとは言い難い状況なのではないでしょうか?

以降、(1)から順に、とくに(4)(5)については深く厳密に考えてみたいと思いますが、先に私自身の立場を明らかにしておきますと、同書『遺伝子で診断する』での著者の個人的な主張と同様に、”遺伝子診断は推進すべき””希望者には機会を与えられるようにすべき”と”強く”感じています。

(続く)

鷹司堂後☆心とお金に余裕のある人生を!v(^^)
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