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「がん登録法」は諸刃の剣か悪法か? 

特定秘密保護法の陰に隠れて、これと言った議論もないまま、がん登録法が成立しています。

その経緯などは、以下が詳しいのですが、一般のマスコミは殆ど俎上に載せていません。

「がん登録法/実態の把握は対策の根本だ」(河北新報社 社説)

「がん登録法が成立、国が全国の患者情報をデータベース」(ハフィントンポスト)

「特定秘密保護法」の成立過程で、「なぜ公明党は何の異議も唱えないのか?(何の条件も持ち出さないのか?)」「ひょっとして、特定秘密保護法は宗教法人にも都合がよいのか?」と訝しんでいたのですが、どうやら、この「がん登録法」がセットになっていたからではないか? と思い始めています。

例えば公明党は、同法成立の1ヵ月ほど前に「公明新聞」上で、以下のような党の正式コメントを出しています。

「がん登録法案 正確な実態把握に不可欠――早期成立させ有効な治療確立を」(公明新聞 2013年11月9日(土)付)

たしかに同法は、上手に運用すれば、国民の期待に応えられる可能性があります。また、厚生労働省は、「がん登録等の推進に関する法律案骨子(案)の概要」として、以下の資料を公開しています。

資料4-1がん登録資料①

しかしながら、同時に「がん登録法」の危うさを指摘する声も挙がっています。

安倍自民の擬似戒厳令布告(癌登録法は懲役2年の罰則付き)

この「逝きし世の面影」氏の見立てによると、〈『特定秘密保護法』と国家安全保障会議(日本版NSC)の二者は『二つで一つのセット』であると言われているが、間違いなく特定秘密と日本版NSCに『癌登録法』を加えた三つがセット〉であり、〈このがん登録法なら、福島県とか他県の小児甲状腺がんの発症数の合計人数の発表も『知り得た情報』に当たるので、発症情報全般を丸ごと隠蔽して懲役2年で取り締まることが可能である。この法案では自分の頭で考えて『喋る医者』を、丸ごとすべてがアウトにできる〉とのこと。

元々、「特定秘密保護法」によって原発事故の詳細を秘密化することが可能であり、国民の知る権利を阻害する、と指摘されていますが、これに「癌登録法」が加わることで、事故による放射能汚染や復旧作業に伴う被爆などに起因するがん発症の状況も隠蔽することが可能であるという指摘です。

同法案単独で考えれば、同氏の主張がそもそもの趣旨とは相容れないことは明らかですが、「特定秘密保護法」とセットになることによって、非常に功罪の大きい法案になってしまっているということです。厚生労働省の資料にある罰則規定(後ろから2ページめ)にも、わざわざアンダーラインが付してある点は、暗黙裡に何かを言わんとしているかのようです。

「特定秘密保護法」の成立を急いだのは、国家安全保障会議(日本版NSC)を設立するためには、同盟国の立場からすると同法が必要だったから、というのが実際のところだったのでしょうが、事態はとんでもない方向に動き出しているような気が……。


話は変わりますが、山本太郎氏が陛下へ直訴したことを理由に、その処分が決まったのが11月8日。奇しくも、上記の公明党の公式コメントが載る前日です。おそらく公明党は、軽減税率と引き換えたのではなく(それは前提の上で)、「がん登録法」を成立させたかった、というのが本音ではないでしょうか。

同氏が常日頃から「福島の子供達が・・・」を連発していたことに照らすと、「がん登録法」に対して最も大きな声を上げておかしくないのは同氏です。(もし、万が一、山本太郎氏を黙らせるために、何某かの筋が同氏を唆して、陛下に直訴するよう仕向けたのだとすれば、政治としては相当な高等戦術だったと言っていいでしょう。)

じつは、「特定秘密保護法」に対しては、海外メディアの記者達も懸念を示しており、下記の報道のなかで、「秘密保護法案の廃案要求=外国特派員協会が声明」(時事ドットコム)が引用されてもいます。

山本太郎氏、特定秘密保護法案は「政治家と官僚のクーデターだ」(ハフィントンポスト)

閑話休題。法律解釈に関しては素人なのだが、「がん登録法」についてはせめて「特定秘密保護法」ではなく「個人情報保護法」が適用されるよう規定(明文化)できないのだろうか?

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先進諸国に於ける国民の学力とは失業率・経済成長率との関係度はどの程度なのか? 

昨日、OECDの国際学習到達度調査(PISA)の結果が公表され、日本は09年の前回調査に比べ、「読解力」が8位から4位に、「科学的応用力」が5位から4位に、「数学的応用力」が9位から7位に上昇、と伝えられました。

日本は15才時点の学力では、世界のなかの順位では概ね一桁の半ばから後半にいることになります。しかしながら、ベスト3は上海、香港、シンガポールのアジア勢が独占しており、OECD加盟諸国に限定すると、韓国とトップ争いをしていることになります。

【OECD学習到達度調査】日本の15歳、学力向上 「読解力」8→4位

また、少し前に発表された、国際成人力調査(PIAAC:ピアック)の結果では、日本が1位をほぼ独占しています。

成人一般と15才では、まだまだ学力(順位)の差が埋まっていない感はありますが――それはさて措き、文部科学省によると(上記のリンク先)、この「国際成人力調査(PIAAC:Programme for the International Assessment of Adult Competencies)」の目的や内容などは、以下のように説明されています。

〈経済のグローバル化や知識基盤社会への移行に伴い、OECDに加盟する先進国では、雇用を確保し経済成長を促すため、国民のスキルを高める必要があるとの認識が広まっています。 このような中、OECDでは、各国の成人のスキルの状況を把握し、各国の政策に資する知見を得ることを目的として、初めて本調査を実施しました。
 OECD加盟国等24か国・地域(日、米、英、仏、独、韓、豪、加、フィンランド等 )が参加し、16歳~65歳までの男女個人を対象として、「読解力」「数的思考力」「ITを活用した問題解決能力」及び……(後略)〉

文部科学省の説明にもあるように、実施の主目的が「雇用を確保し経済成長を促すため」であれば、今回の結果と各国の「失業率」と「経済成長率」とのあいだに、どの程度の相関性が見られるのか、経済及び教育関係者ならずとも、是非とも知っておきたいところです。

さっそく、結果を見てみます。

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