暮らしとお財布にやさしい、心とお金の余裕を生む情報活用TOP > 月別アーカイブ [2013年09月]

シリアを巡って――なぜアメリカは頑なで、イギリスは引き、ロシアは強硬なのか? 

シリア情勢を巡って、安倍首相はG20で難しい立場に置かれています(一時的ではありますが)。
・同盟国である米国の面子は潰せない、ましてや反対はできない
・北方領土問題の進展のため、及びオリンピック開催国決定を控え3票を持つ議長国ロシア(プーチン)の機嫌は損ねられない
・米国に同調すると、シリア攻撃に反対の中東・アフリカ勢の票も失いかねない
といった事情に、板挟みにあっています。

米国としては、イランや北朝鮮に睨みを効かせ続けるには、レッドラインを超えたシリアに対して何もしないわけにはいきません。しかしながら、政権崩壊までいってしまうと、権力の空白期間中にアルカイーダなどが台頭してしまう懸念があり、だからこそ、限定的・短期間で力を見せつける範囲で収めたいということのようです。
※信頼できるジャーナリストからの情報

以上が”表の”理由と考えられます(”表”だからと言って、重要度が低いということではありません)。


一方で、国際政治には必ず”裏の”目的(たいがいの場合、経済問題)があるわけですが、今回のシリアを巡る隠された目的(Hidden Agenda)はなんでしょうか?
1.北極海航路の開通、運用開始が間近
2.同航路を使えば、中東の石油を日本や中国に持ってくるのに40日掛かっていたのが、22日に短縮できる
3.ただし、冬場はロシアの砕氷船の先導が必要
4.イラク、サウジ、クウェート、GCCの石油を地中海に出す場合、積出港はシリアが最適
5.現在、シリアの港湾利権はロシアが持っており、軍用船の寄航も可能
6.シリアの政権が親米に変われば、米国主体でイラク・サウジ・クウェート・GCC方面からのパイプラインの施設と積出港の運用が容易くなる
7.中東の石油を地中海経由、北極海航路で極東に運ぶようになれば、イランやソマリアの影響を受けなくなる
8.結果、米国はイランに対して、より強気になれる
9.欧州の地中海周辺国のエネルギー安全保障も向上する(原油輸入量では、イタリア、フランス、スペインが世界第7、8、9位)
10.米国自身はシェールガス革命により、早晩、中東の石油には依存しなくてもよくなるが、操業しているのは米国系メジャーが中心であり、他国への供給路は確保し続けなくてはならない
11.アゼルバイジャン(バクー)から地中海に抜けるパイプライン建設では、ロシアを通らないルート(グルジア、トルコ経由)が採択され、ロシアの影響力が低下したばかり
12.一方で、アラビア半島周りで地中海に抜けるには、スエズ運河を通ることになるが、これではイランやソマリアの影響を排除できない
13.スエズ運河はイギリスの権益である
14.パイプラインが、シリアではなくサウジ西岸に抜ければ、スエズ運河を使い続けることになり、イギリスは損はしない(影響力は低下しない)
15.シリアの旧宗主国はフランスであり、イギリスはシリアにあまり旨みがない

従って、シリアの(緩やかな)親米化は、将来的に米国系メジャーのイラン・リスクを相当に低下させることができ、欧州への供給も安定する。と同時に、”ロシアの協力があれば”日中への安定供給にも繋がる。

――というシナリオが描かれているように思えるのですが、さて?

関連記事
美容整形