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 2013年04月 

「MyISBN」が”キナ臭い”んだってさ! 

筆者も関わっている「ダイヤモンド・オンライン」に「MyISBN」が取り上げられたこともあり、このサービス、及び「外野」(自分も含めてだが)の意見について、少々、思うところを述べてみる。

大石哲之氏によると、この「MyISBN」というスタートアップはキナ臭いらしい。「注意しておきたい不明瞭なビジネスモデル」とさえ言っている。

まぁ、長年出版業界の端っこにいた身としては、「業界人のやっかみがまた始まったよ」という印象なのだが。

実態は、amazon の Print on Demand(POD)専門の自費?出版社なのだが、料金体系は明瞭で格安。

自費出版といっても、「編集者や製作者(デザイナー)に面倒を見てもらわなくてもかまわない」人であれば――ちょっとした作業は必要ですが――かつての○風社のように何百万円もとられるわけではない。pdfファイルさえつくれる人であれば、4980円で済む。これのどこが”キナ臭い”のだろうか?

たしかに、MyISBN社は本が売れようと売れまいが、大量の登録があればほとんど濡れ手に粟であるが、amazonのPODシステムには最低年間発行部数が課されているため、それをクリアするための費用と思えば4980円は安い。

amazonの「参加規約」には、
 1ページ(白黒):¥2.50
 1冊:¥180
という数字が出ているので、仮に200ページの本だと、680円をamazonに支払えば、印刷・製本から配送までしてくれることになる。

「MyISBN」のヘルプページによると、1ページあたりの最低価格としては「多くの場合1Pあたり10円」とあるが、たしかに著者にこの最低価格を守らせることで利益を上げる仕組みにはなっている。この点が、ちょっとずるいと言えば、そうかもしれない。
cf. AmazonのPODは新規参入出版社にとってきつい - 言葉職人のデスクトップから

但し、筆者としては、ビジネスモデルには問題はなくとも、印税10%は安すぎる――と思う。

仮に、200ページの本に2000円の売値をつけたとすると
 amazon:680円
 MyISBN:1120円(粗利益率56%)
 著者  :200円(印税率10%)
という配分になる。
同様に、100ページの本に1300円の売値をつけたとすると
 amazon:430円
 MyISBN:740円(粗利益率57%)
 著者  :130円(印税率10%)
となる。

言い方を返れば、仕組みだけつくってほとんど汗をかかない版元が、55%以上の粗利を得るのは妥当なのかどうか、ということ。

よって、筆者の結論としては、会社・ビジネスとしてはまとも(そう)だが(下記参照)
cf. 大阪のスタートアップやこれからのものづくりの可能性を示すプレゼンまで−「Shoot from Osaka(n) vol.4」 #shootosaka イベントレポート
収益体系がずるい。競合が出てきたほうがよい、というもの。

例えば、pdf化&登録作業までするので3万円とか、編集はしないが原稿の体裁を整えて登録するまで請け負うなら7万円とか、そういった競合出版社が出てきても、全然おかしくはない。リスクは年間50冊を集められないとamazonから指弾される(かもしれない)くらいのことか。

ひょっとすると、amazonに支払うべき固定費があるのかもしれないが……(あるとすれば、ぼったくりかどうかはこの点次第なので、この場でお詫びしなければならない)。

じつは筆者は、オンデマンド本を一度だけ買ったことがある。それがこれ↓
『パリサイ・シンドローム』
むしろこういう会社が、amazonを上手に利用することを考えてはどうだろうか?

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